HASHIMOTOマガジン

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見落とされがちな建物の劣化サインとその対処法〜“まだ大丈夫”が招く損失とは?〜

建物の劣化は、日々の業務のなかでは意外と見過ごされがちです。「まだ使える」「問題ない」と判断して放置された小さな不具合が、のちに大きな修繕費や営業損失につながるケースも少なくありません。今回は、企業が気づきにくい建物の“サイン”と、早期対処のポイントをお伝えします。

1. 外壁のヘアクラック・シーリングの破断

【見落としがちなサイン】
外壁にできる髪の毛のような細いひび割れ(ヘアクラック)や、目地部分のシーリング材の切れ。遠目には目立たないため、経年劣化として放置されがちです。

【放置すると】
雨水の侵入→コンクリートの中性化→鉄筋の腐食と進み、将来的に外壁の剥落や漏水の原因に。

【対処法】
定期点検を年1回実施し、劣化部位を早期に補修。10〜15年ごとの再塗装・シーリング打ち替えが推奨されます。

2. 屋上防水のふくらみ・排水不良

【見落としがちなサイン】
屋上の防水層の一部がふくらんでいる、排水口まわりにゴミがたまり水たまりができている、といった軽微な状態。

【放置すると】
水分が内部に浸透し、断熱材や構造体まで劣化。雨漏りが発生し、内装・什器の損傷に繋がることも。

【対処法】
10〜15年周期で防水改修を行い、排水口清掃は年2回以上を目安に。

3. エアコン・照明設備の異音・異臭

【見落としがちなサイン】
「少し音が大きくなった?」「古くなったから仕方ない」と流されがちな空調や照明の異常音・臭い。

【放置すると】
機器の故障や火災リスク、電気代の高騰。快適性の低下で従業員のパフォーマンスにも影響します。

【対処法】
設備の劣化は目に見えにくいため、使用10年以上を目安に更新を検討。電気料金の削減効果も見込めます。

4. 室内壁紙の浮き・変色

【見落としがちなサイン】
壁紙が一部浮いている、茶色っぽいシミができている、といった現象。

【放置すると】
内部で漏水が進行している可能性も。放置すればカビや構造腐食の原因になります。

【対処法】
目視で気づいたら、すぐに内装裏の確認を。湿気対策や漏水修理を優先的に行いましょう。

5. 建物周囲の地盤沈下・舗装のひび割れ

【見落としがちなサイン】
駐車場や建物周囲の舗装面に小さな段差や割れが生じている。

【放置すると】
基礎の不同沈下や排水勾配の不良につながり、建物全体の傾きや浸水リスクが発生。

【対処法】
地盤調査と簡易舗装補修で早期対処。大規模沈下は専門調査を依頼。

まとめ

建物の不具合は、大きな損傷の前に必ず“サイン”を出しています。それを見逃さず、早期にメンテナンス対応することが、長寿命化・コスト最小化の鍵となります。「まだ大丈夫」と思わずに、年1回の点検と中長期修繕計画の導入を、今こそご検討ください。

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